子どもとの時間を楽しもう!

子どもとの時間を楽しもう!

子どもの「IQ」を上げる、語りかけの効果(3)

子どもの「努力する力」を伸ばす言葉

 

〇優しく前向きな言葉で語りかける
 

肯定的なあたたかい言葉をできるだけ使い、否定的な禁止用語や自尊心を傷つけるような言葉はできるだけ避ける方が良いです。

 

わが子の  「IQ」を上げるため、いっぱい語りかけたとしても

 

自尊心を傷付けるような否定的な言葉や乱暴な言葉ばかりでは

 

自己肯定感の低い子ども
自信がなく、無意欲で消極的な子ども
相手を責めるような、乱暴で攻撃的な子ども
 

につながってしまう恐れがあります。

 

例えば、子どもが服のボタンを一生懸命に留めていたとします。

 

「まだ早いからあなたには無理よ!」「違う違う!ここをこうやってこうするのよ!不器用だね!」といった否定的な言葉と

 

「〇〇ちゃんは、自分でボタン留めようとしてるんだね。エライね。」「ここはお母さんがやってあげるから、ここは〇〇ちゃんがやってみてごらん。そうそう上手上手!」といった肯定的な言葉では

 

あなたが子どもならどちらの言い方が良いですか?

 

分かりやすく、少し極端な例にしてしまいましたが、言うまでもありませんが肯定的な言葉の方が良いですよね。

 

せっかく、たくさん語りかけても、否定的な言葉だけでは、全く意味がありません。

 

肯定的な言葉は情緒が安定し、自信や意欲を育み、健全な成長をしていくための、必要な土台になるのです。

 

ちなみに、語りかけるときは、できるだけ目線を合わせたり、顔と顔を合わせた、対面的な姿勢を心がけましょう。

 

対面でないと効果がないのか!?と言うわけではありませんが、対面的な語りかけが、脳への刺激を大きく左右するため、言語学習にとって効果的な関わりであることは、間違いないようです。

 

◯「プロセスをほめると「挑戦する力」を育める

 

子どもに感心したときのほめ言葉は、代表的な次の3種類に分けられます

 

  1. 「いい走りだったね!」

       (努力や計画、行動に焦点を当てたほめ言葉)

  2.   「足が速いんだね!」

          (生まれ持った能力に焦点を当てたほめ言葉)

 3.    「すごいすごい!」

         (1、2以外の励ましの言葉)

 

この中で、子どもの学ぶ力や挑戦する力を育むのに一番よいほめ言葉は?

 

1の「プロセスをほめる」です

 

わずか1歳の子でも、効果があるようです

 

◯親のほめ言葉で「根気」が身につく

 

「意欲と根気」の研究を続けてきたスタンフォード大学のキャロル・ドゥエック教授がある疑問を持ちました

 

「なぜ、難題に直面したときにあきらめる学生と、スキルは同等なのに粘り強く学ぼうとする学生がいるのだろう?」

 

教授が突き止めた両者の差は「できない理由の捉え方」でした

 

なぜ、この問題が解けないのか。なぜ、早く走れないのか

 

その理由の捉え方には、幼少期のほめられ方が深く関わっているそうです。

 

子どもは2つのタイプに分類できます

 

  • 成功は、生まれつきの才能や頭の良さの結果だと信じる子(硬直マインドセット)

 

 

挑戦を避ける

「硬直マインドセット

 

硬直マインドセットの子どもは、生まれつきの知能がどこまでもついてまわると信じていて

 

「才能がないから、がんばっても無駄だ」

「才能があれば、うまくできる」

 

という言葉に同意します

 

こういった子どもは、失敗すると追い詰められたように感じてしまいます

 

自分には、それほどの才能や頭の良さはないと考え、できない子だと思われるのを恐れて、挑戦することを避けます

 

キャロル・ドゥエックの著書『マインドセット〜やればできる!…の研究』での実験では

 

「4歳の子どもを集めて、かんたんなジグソーパズルをさせる。

 

その後、もう一度、かんたんなジグソーパズルをするか、難しいジグソーパズルに挑戦するかを選んでもらうと

 

硬直マインドセットの子どもは安全な方を選んだ」とあります

 

この「硬直マインドセット」に子どもを導くのは何か?

 

日々の関わりの中で「才能・人格をほめる」ことです

 

努力を好む

「成長マインドセット

 

成長マインドセットの子どもは、知性は努力によって身につくと信じています

 

勉強すればするほど、賢くなれると考えます。このタイプの子どもは、たとえ才能や環境に恵まれていたとしても、がんばる必要があると考えます

 

挫折したときは、もっと時間と努力を積み重ねることで乗り越えられると信じています

 

できる子だと思われることよりも学ぶこと自体に価値を置き

 

困難な課題にも、粘り強く取り組みます

 

「成長マインドセット」に子どもを導くのは何か?

 

「プロセスをほめる」ことです

 

◯4歳までに「考え方の型」ができてしまう

 

わずか4歳で、このいずれかのマインドセットができあかってしまうようです

 

もちろん、大人の啓発本などにも、思考を変える方法が載っているものもあるので

 

4歳以降に、マインドセットをかえていくことは可能ではあると思いますが

 

一度植えつけられた思考を変えることは、容易ではありません

 

できるだけ4歳までに「成長マインドセット」に導けるよう「プロセスを認めほめていく」関わりをしていきたいですね

 

幼少期に培った考え方は、いずれ大人になり、社会人になっても強く影響します

 

4歳を過ぎていた場合でも、できるだけ早く「成長マインドセット」の思考が身につくように関わってあげましょう(^^)

 

◯子どもの「意欲」を上げる言葉って?

 

子どものマインドセットは、どこからくるのでしょう?

 

スタンフォード大学のキャロル・ドゥエック教授が小学5年生の子どもを集めて

 

むさくいに2つのグループに分け、IQテストに取り組ませました

 

1番目のグループには「とってもいい点数ね。あなたは頭がいいね。」と伝え

 

2番目のグループには「とてもいい点数ね。がんばって取り組んだのね」と伝えます

 

その後、子どもたちへのテストを続けたところ

 

努力をほめられた子どもは、選択肢を与えられると、難しいテストに挑戦したがる傾向がありました

 

学習意欲を感じ続けることを好み、問題が難しくなっても自信を保ち続けました

 

頭の良さをほめられた子どもは、簡単なテストを嫌がり、問題が難しくなると自信を失い

 

点数を自分で計算させると点数を水増しする傾向が見られたそうです

 

その他の、調査からも成長マインドセットを持つ子どもの方が、挑戦を好むという結果がでています

 

そして、成長マインドセットを持っていたのは

よちよち歩きのころから「プロセス」をほめてもらった子どもたちでした

 

◯成長マインドセットを植え付ける「2つの方法」

 

1.  努力をほめる

 

ドゥエック教授の調査によると、85パーセントの親が

 

子どもが上手にできたときは、賢いと感じさせるために

 

能力をほめることが必要だという意見に賛成する声をあげているそうです

 

おそらくみなさんも、反射的に出てくる言葉は

 

硬直マインドセットを育ててしまう能力をほめる言葉がでてしまうのではないでしょうか?

 

それだけ、努力をほめる言葉がけというのは、難しい一面があるため

 

意識して関わっていく必要があるといえます

 

2.  脳のトレーニングをさせる

 

「脳は筋肉と、同じで、使えば使うほど鍛えられる」と子どもに教えていきましょう

 

脳をトレーニングするには「技能を練習する」こと

 

「新しいことを学ぶ」ことが有効です

 

脳の改造は、何歳になっても手遅れではありません

 

硬直マインドセットを持った中学生と大学生も

この事実を教わって成績が上がったという事例もあるそうです

 

今回のような子どもにとってプラスに働く言葉がけは、意識しないと難しいと感じています

 

それは、子どもに投げかける言葉は、私たちがいままでかけてもらった

 

言葉の蓄積が大きな影響を持っているからです

 

そんな言葉がけをしたら子どもの自尊心が傷ついてしまうのに…

 

といった姿を目にすることがありますが

 

やはり使っている人は、悪気はなく、自分の使っている言葉を意識していないなと感じます

 

もちろん私たちも人間ですから、いけない言葉がけだとわかっていても

 

忙しかったり、心の余裕が持てない場面では、ついつい感情的な言葉を使ってしまうこともあると思います

 

ただ、子どもの健やかな成長と人格形成には、できるだけ意識して

 

望ましい言葉をかけていってあげたいですね!

 

以上が、子どもの「努力する力」をのばす方法です

 

最後まで読んでくださりありがとうございました☆

 

子どもたちが、自分で考え、努力し、幸せな未来をデザインしていけるよう、活かされたら幸いです(^-^)