子どもの「IQ」を上げる、語りかけの効果(2)
子どもの「IQ」を上げる、語りかけの効果(1)では、子どもに語りかけたり、会話を楽しんだりすることが、いかに大切かをお伝えしました。
では、どんな内容の語りかけが効果的で、どういった方法があるのでしょうか?
- 音読する
- 絵本の読み聞かせ
- 「外国語」で遊ぶ日をつくる
の3つの内容をお伝えしたいと思います(^ ^)
〇音読する
とある、テレビ番組で島田紳助さんが、赤ちゃんの頃は、話しかけても言葉は返してこんし、何言うてるんか全くわからん。
けどある程度大きくなってくると、段々と分かるようになってくる。不思議やな~、そしたら会話をするのが楽しくなってくんねん。
なんて言っていたことがあります。話しかけても、言葉は返ってこないかもしれませんが
赤ちゃんは、ちゃんと言葉をきいて、確実に脳への刺激になり吸収しています。
正確に言えば、まだ、話せない時期であっても、ある程度の時期がくると、会話の中での簡単な単語などは理解しています。
とある、保育教材で、まだ話せない赤ちゃんは、どれくらいまで言葉を理解できているのか?という実験のDVDがありました。
その実験内容とは、ある装置を赤ちゃんの頭に取り付けます。
すると、赤ちゃんの目線がテレビ上にアイコンで表示されるようになります。
テレビ上には、車、ミルクなど普段親しみのある身の回りの物がいくつか表示されていて、大人がそれらの名前を言うと
赤ちゃんの目線を示すアイコンは、ちゃんと言った物のところへ向かっていたのです。
腰がすわったぐらいの、まだ話せない乳児でしたが、この映像からは、確実に大人が言っている物を理解し、目線で追っていることが分かります。
赤ちゃん、または乳児は、言葉をきいていないのでも、言葉を返さないのでもなく
ただ、まだ話せないというだけなのです。
話せなくても、確実に脳の中では、刺激として成長の糧になっています。
話しが少しそれてしまいましたが
紳助さんのように、会話が成り立たないのは嫌だ!という方は
音読するというのも1つの方法です。
いま、読んでいる小説でも、漫画でも良いです。
赤ちゃんは、ほとんど単語をまだ知らないのですから、むしろ、いろんな単語がつまった豊かな語彙の方が良いとされています。
ちなみに、テレビで東大生を育てたお母さんに話しをきく。といった内容のトーク番組をみたことがありますが
その内のお母さんの1人は、子どもにいろんな取り扱い説明書を読み聞かせていたそうです(笑)
その当時は、この人頭おかしいんじゃないか!?なんて思ったことがありますが
いろいろ知識を得たいまでは、子どもの語彙力(ごいりょく)につながってたんだなーと、感心します(^^)
音読する時だけに、限ったことではないですが、例え理解できないような難しい文章でも
赤ちゃん絵本を読み聞かせるように、赤ちゃんや乳児と、目線を合わせたり、微笑んだりしながら読んであげてくださいね(^。^)
そういった、あたたかい接し方や触れ合いが、ベースにあってこそ、はじめて良い教育も効果を発揮します!
〇絵本の読み聞かせ
子育てに欠かせない取り組みの1つとして、誰もがやっているであろうと思われる絵本の読み聞かせ。
昔から、絵本は情操教育に良いとされていて、誰もが幼少期に読んでもらった記憶や、思い入れのある懐かしい絵本があるのではないでしょうか(^^)
その絵本との上手な付き合い方を紹介していきます。
☆絵本に親しみを持つ(6ヶ月まで)
まずは、本に触れさせる。ということからが始まりになります。
赤ちゃんは触れることを通して、舐めたりかじったりするので、厚紙でできている丈夫な絵本が良いです。
基本、0〜1歳用の絵本はそういことを想定して丈夫にできているので大丈夫ではありますが(^-^)
もちろん、先程話した音読の記載と被るとこもありますが、雑誌や小説なども読んであげてオッケーです。
ただ、やわらかい紙は、かじって口の中に入るので、安全面には注意しましょう。
☆「写真」や「絵」を説明する。 (6ヶ月〜12カ月)
「犬がいるよ。ワンワン。」「赤い車があるね。どれだか分かるかな?」などと話しかけながら指差しを促していきます。
その内、自分でページをめくろうとするかもしれませんが、しっかりめくらせてあげて、紙の質感に触れさせてあげましょう。
話しの途中でも、気にしなくて良いです。この時期は、まだ物語の内容にまで、こだわりや興味があまりありません。
子どもの興味やペースに合わせて読み進めてあげてください。
まだこのページ読んでないよ!とページを戻したり、最後まで読み終えないといけない気がする…
といった感じで私も関わってしまうことがありましたが、大人の価値観によるものであって、子どもの成長には、なんら問題ありません(笑)
余談ですが、他にも、ビニール加工の、手触りを楽しんだり触れるとシャカシャカ音のしたりする絵本型の玩具もあります。
赤ちゃんが、絵本として認識しているかは分かりませんが、舐めても安全ですし、比較的長い間、興味を示して遊べていたので、オススメです(^ν^)
赤ちゃんに読み聞かせる。というより、絵本を媒介として、赤ちゃんとのコミュニケーションを楽しむ。といった言い方が正しいかもしれません。
たくさん機会をつくってあげると、絵本に興味、感心を示し、触れようとし始めるので、まずは絵本に親しめるようにしましょう(o^^o)
☆身振り手振りを加えて
「読み聞かせ」をする
(12ヶ月〜1歳半)
登場するキャラクターやナレーターに合わせて声色を変えてみたり
身振り手振りを使って、手でチョウチョの真似をし、ヒラヒラさせながら子どもの鼻やお腹の上にとまる様子を表現したりすると
より一層子どもの興味を引き、楽しみながら絵本を読み進めることができます。
この時期に限らず、大きくなるにつれて、間を使ったり声を大きくしたり小さくしたりして抑揚をつけるなどすると
さらに子どもを引きつける、魅力ある読み聞かせをすることができます。
たくさん読むことで読み手側のスキルも上がってきます。5分や10分でよいので毎日続けましょう(^。^)
☆子どもの「読み語り」を促す(1歳半〜3歳)
この時期から、少しずつアンパンマンを「マンマン」眠ることを「ねんね」など
わりと聞き取れる範囲内での言葉がではじめます。
絵本を読むときでも、そういった言葉をしっかり促すため
絵本のキャラクターや物などを指で差し、「うさぎさん」と名前を言ったり「これ何かな?」と質問したりしましょう(^.^)
わが子も、絵本をみているとき、知っているものがあると、その物を指で差し、言葉で言う姿がみられていました。
親が一方的に読むのではなく、絵本を通して、子どもと一緒に会話を十分に楽しむことが重要になります。
絵本を読むとき、そういった子どもに参加させる読み聞かせを15週間続けたところ
子どもの口語能力がアップしたというデータもあるそうです。
☆子どもに朗読してもらう
(4歳〜5歳)
ある程度、ひらがなへの興味が出始め、読めるひらがなが増えてくると、子どもに朗読してもらいましょう。
「このひらがな、なんて読むの?」といったことから始め、最終的には「今日は◯◯ちゃんに絵本を読んでもらおうかな」という感じで子どもに読み聞かせをお願いします。
年齢的に、ある程度文字数のある絵本を読んでいると思いますが、朗読は、文字が大きく数も少ない赤ちゃん向けの絵本がオススメです。
少しの文字を読むだけで、ページも進めていけるので、読み終えた達成感にもつながると思います(^-^)
もちろん、本人がどうしてもこの本が読みたいとか、朗読力の能力が上がるにつれて絵本はかえていってあげてよいです!
あと大事なことは、間違えたらきちんと正してあげます。間違えを指摘するのではなく、正しい読み方を言い換えて伝えてあげましょう。
しっかり認めてあげたり喜んであげたりすることはもちろんですが、率直な評価をしてあげることで
「単語の認識力」「言葉の流暢(りゅうちょう)さ」「理解力」が格段にアップします。
読むのが得意な子も、苦手な子も、続ければ続けるだけ効果があります。
物語の出来事と現実と結びつける
「この前、お出かけしたとき同じようなお花がたくさん咲いてたね」「◯◯ちゃんも、こんなふうに笑ってたことあったね?」
といった感じで、絵本の世界や現実を結びつけて会話をしてあげることも、脳を刺激する効果的な膨らませ方です。
読み聞かせながら、物語について質問する
子どもがあまり理解しなかった箇所は、もう一度読み直して。読む前や、読んだ後に、話しの流れについて質問します。
「お魚と何がでてきたっけ?」「くださいってお願いされてたけどお魚はどうしたのかな?」など
子どもに質問するように促してあげます。
本を読むこと自体よりも、読んでいるあいだの親子の会話の方が重要だということを示唆するデータもあるようです。
そういった言葉のやりとりがしっかりできるようになると
絵だけをみせて「これは何をしているんだらうね?」といったり
絵本を読み終えた後に「この後◯◯はどうなったのかな?」と絵本の最後の、またさらにその後を想像できる言葉がけをするなど
自由に答えられる質問も、よりイメージや言葉のやり取りが膨らんで良いです!
最近は、ほとんど文字がなく絵が主体となっている絵本もたくさんでているので
想像を膨らませながら一緒に読み進めてみるのもオススメです(^。^)
言語力を伸ばす4つの方法があります。
①促す
「これはなにかな?」といった質問をして、子どもからの言葉を引き出すやりとりをする。
②評価する
「そうだね◯◯だね」「正解〜!」など、子どもの言葉に共感しながら評価しましょう。
③膨らませる
「ブーブー」といったら「そうだね、ブーブー、車だね」といったり
「これは◯色のブーブーだね」「今日、車で◯◯までお出かけしたね」など
言い換えや情報の追加をしながら、子どもの言葉を膨らませながら会話をする。
④くり返す
膨らませた会話の言葉を、くり返し言えるよう促します。
「◯◯って言ってみて」といったり、大人が「ぼ・う・し」とゆっくり子どもの言葉を促すように言うと、子どもも「ぼ・う・し」と真似て言ったりするようになります。
この4つのことを踏まえ、いろいろ質問しながら会話を楽しんでいきましょう!
「これなあに?」と質問した後も「いつ」「どこで」「なぜ」さらには「なに」など聞き方を変えながら言葉の成長に合わせて会話を膨らませていけるようにしましょう(^-^)
「読書の効果」と子どもを「本好き」に育てるには?
新しい言葉を学習するにあたり、読書に優る方法はありません。
会話だけでは、読書から得られるほどの語彙力(ごいりょく)はつかないそうです。
子ども向けの本には、大学教育を受けた大人が会話で使う語彙の2倍近くが使われているものも多いそうです。
語彙力があると、学校の授業の理解力が上がります。
読んでいる「言葉の意味」よりも、読んでいる「内容」を理解するほうに多くの時間が割けるためです。
読書には、限りない可能性があります。小さい子が読む絵本だけにとどまらず
大人になるまで、そして大人になってもわたしたちに
自己啓発といういろんな知識や、娯楽として生きる楽しさなどを与えてくれます。
わたしも、仕事でたくさんいろいろなことで悩んできましたが、本を通して救われてきたことは、数え切れないほどあります。
子どもを「読書好き」に育てるには
小さいうちからたくさん話しかけて読み聞かせをすることです
残念ながら、本好きがすぐ身につくといった裏技のような方法はなく
日々、少しずつ本に触れ親しみを持ち、好きになり、習慣付けていくことが、1番の近道になります。
◯「外国語」で遊ぶ日をつくる
誰もが、外国語を話せたらカッコイイな〜とか漠然と感じた時期があるのではないでしょうか?
わたしも、そう感じる時期がありましたが、まあどうせ外国語が必要な仕事についているわけでもなく
海外旅行も頻繁にいくわけでもないので必要ないか、といってチャレンジもせずにいましたが
子どもにとって外国語に触れて学ぶということは、単なる外国語が話せるといっただけでなく
脳にも大きな高作用が働くそうです
そんな2つの言語を母国語として扱える「バイリンガル」について触れていきます
子どもを「バイリンガル」にするには?
心理学者、フランソワ・グラスジャンによると
第2言語の強化は「家庭外」で行うべきだと主張されています
家庭外で学べることといえば、思い付くのは、英会話スクールやそういったイベントに参加するなどありますが
身につけるための近道は、遊び友達をつくることだそうです。
言語が違う友達とのつながりをつくるきっかけが、難しいかもしれませんが
言語を獲得したいという意志を持つためには、明確な用途が見える必要があるため
子どもにとっては、話し友達がいるというのは十分な理由になります
大人でも、昔英語を話せる友達がいましたが
1番の近道は、恋人(もしくは好きな人)をつくることだと断言してました(笑)
「ふ~ん」と、その時は思ってましたが、今思えばすごく理にかなったことなんだなと感心しています(°▽°)
「生身の相手」からしか学べない
ワシントン大学のパトリシア・クール教授がした実験で
英語しか話さない両親を持つ赤ちゃんに
4週間にわたり、週に3回ずつ、中国人と一緒に本読みと遊びを行わせました
そして、中国語の音を聞いたときの赤ちゃんの脳の活動を調べたところ
遅くとも1ヶ月ごとには、台湾で生まれた赤ちゃんと同程度に、中国語の母音と子音を聞き分けていることが分かったそうです
ただ、こういった結果がでたのは、生身の人間から言葉をきいたときだけでした
テレビや録音テープで中国語に触れた赤ちゃんは、何ひとつ学ばなかったそうです
2歳をすぎると、子どもはスクリーンからも学べるようになってきますが
人と直接的に関わることが最も効果的のようです
バイリンガル教育は「脳」にいい
複数の言語に触れることの、心配事の1つに
「複数の言語を学ぶと赤ちゃんが混乱したり言語習得が遅れるのでは?」
といったことをきいたことがありますが
これを裏付ける証拠やデータはないそうです
言語学習において、1つの言語を与えた子ども(モノリンガル)2つの言語を与えた子ども(バイリンガル)
共に、ある一定の成長過程内で言語学習の到達点に達することが数々の研究で分かっています
つまり、この時期に2つ以上の言語に触れたからといって言語学習が遅れるといったことはないということが言えます
バイリンガルの環境にある子どもが、1文の中で言語体系を切り替える(例えば日本語の文の途中に英語も入り混じった話し方になるなど)のは
コードスイッチと呼ばれ、自然な現象であり、言語の遅れや混乱の兆候ではありません
わが子も、2歳ぐらいのときに、「ひざ」だけなぜか「ニー」と英語で言うようになり
こけたときに「ニーが痛い…」なんて言ってたのでこの先混乱しないかなと、ちょっぴり不安でしたが問題なさそうです(笑)
バイリンガルの環境にある赤ちゃんは、脳にプラスの働きが多くあり
モノリンガルの環境にある赤ちゃんと比べて、優れている点がいくつもあります
☆言語学習を受け入れる時期が長くなる
バイリンガルの環境にある赤ちゃんの脳は
通常、8〜10ヶ月のところ10〜12ヶ月になっても
複数の言語の音を聞き分けができるようになるそうです
☆「メンタルの切り替え」が上手になる
人の脳は、単語の最初の音が聞こえるとすぐ、残りの言葉を推測しはじめます
2つの言葉を使うバイリンガルの人は、1つの単語を聞くと、2言語のスイッチが入ります
絶えず複数の言語を切り替える作業は、認知力のトレーニングになり
環境を観察する能力や、言語だけでなく、状況に応じて一連のルールを切り替える能力が発達します
すなわち、臨機応変に対応できる脳を育てることにつながるということが言えると思います
バイリンガルとモノリンガルの環境にある生後7ヶ月の赤ちゃんを比較した実験で
音で合図を出して、画面の片側に指人形が現れるようにします
もう一度、音をだすと、両方の赤ちゃんのグループは
さっきと同じ場所に指人形が現れることを期待して片側をみつめました
つぎに、同じ内容で、今度は指人形が反対側に現れるようにしたところ
最初は両方のグループが先ほどと同じ場所に現れることを期待してみつめていましたが
バイリンガルのグループの赤ちゃんは、すぐさま期待する場所を反対側に、切り替えができたそうです
『「すぐやる脳」のつくり方』という著者でも、
何かの仕事をしていて、突然、誰かに頼み事をされる。そしてすぐさま、今の作業をパッとやめてパッと次に向かう
といった切り替えのできる脳を育てることが良いと記載されています
☆「実行機能」のスキルが上がる
「色つきブロックでつくった模様を再現する」「複数の数字を声に出して復唱する」「頭の中で算数の問題を解く」
といった実行機能(思考や行動を制御する認知システム)のスキルを測定する課題に対しても、モノリンガルの子どもと比べ
バイリンガルの子どもたちは、明らかに正解率の高い結果がでるそうです
その他にも、「架空の花の絵をかく」といった表現力の取り組みに対しても
モノリンガルの子どもたちと比べ、バイリンガルの子どもたちの方が創造性においても高い結果がみられるそうです
☆「7歳まで」なら間に合う
外国語にどの程度触れさせれば「足りる」かについて、明確なデータはないそうです
子どもがどの言葉に1日何分触れたかを、親に正確に測定してもらうのは難しいのも、その要因のようです
親が我が子に「外国語を自在に操れるようになってほしい」「外国語に触れ、ある程度理解できればよい」など求める目標をはっきりさせ、その内容に合わせて進めていくのが良いでしょう
触れ始める時期については「早く始めるのがベスト」と研究者達は断言しているそうです
7歳までの子どもは、第2言語を、ネイティブスピーカーとほぼ同等の堪能さで獲得することができます。
※第2言語
→(日本語を話せる人からみたら英語などの他国の言葉)
※ネイティブスピーカー
→(日本人なら日本語。アメリカ人なら英語。といった、その言語を母国語として話す人)
7歳をすぎると、獲得言語レベルが急激に落ち込みます。
もちろんその後も言語学習は可能ですが、脳の別の回路から理解することになり、獲得レベルが低くなるそうです。
私もこの内容を学んでからは、すぐ生の英語に触れさせることにしました!
今回は
- 音読する
- 絵本の読み聞かせ
- 「外国語」で遊ぶ日をつくる
以上の3つを紹介しました(^^)
みなさんもぜひ、わが子の健やかな成長につなげるため、やってみようかなと思われることがあれば試してみてください!
次は、子どもの「努力する力」を伸ばすほめ言葉について
子どもの「IQ」を上げる、語りかけの効果(3)
で紹介していきたいと思います!
最後までみてくださってありがとうございました(^-^)