子どもとの時間を楽しもう!

子どもとの時間を楽しもう!

ダメなことや嫌な行動をなぜやめてくれない?〜叱るのではなく「教える」ことで行動を変える〜

「罰」を与えるのは効果がない!?

 

躾(しつけ)とは、やっていいことといけないことを子どもに教えるため

 

昔は「罰を与える」のが最も効果的だと考えられていました

 

親が大声をだしたり、長々と説教したり、叩いたり、脅したりすると子どもは言う通りにはするでしょう…

 

しかし、そういった関わりでは、一時的な行動であり、おそらく親が側にいないとこでは違う行動をとっている可能性が高いです

 

そして、罰を与えて言うことをきかせると「感情を無理やり抑え込ませる」「非礼なやり取りをする」「力で問題解決をする」といったお手本を見せることになります

 

大半の親が子どもに教えたいことは、その逆のはずです

 

「衝動をコントロール」し、「他人を尊重」し、「人を傷つけないで問題解決をする」そんな大人に成長していほしいと、願っているはずです

 

ではどういった関わりをすれば、子どもと良い信頼関係を築きながら、躾(しつけ)ができるのでしょうか?

 

「関係のない罰」を与えてはいけない

 

躾には、罰(パニッシュメント)と「因果(コンシクエンス)」と呼ばれる2つの方法があるそうです

 

「罰」とは、権力を行使して、相手をはずかしめたり苦痛を与えたりすることで学ばせようとすること

 

例えば、片付けをしない姿に対し、叩いたり家の外に出したり大好きなおやつを抜いたりする関わりを示します

 

そのため、悪い行動と直接関連していない罰も多くなり

 

子どもは、従ったときだけ尊重されるという受け止め方になり

 

罰を恐れることでしたか行動を改善できなくなります

 

悪い行動が抑えられはするものの、なぜその行動がいけなかったのか?

 

その行動をとることで、どうなってしまい、周りにどういった影響があったのか?

 

といったことまで振り返り、反省へと、つなげていくことが難しくなってしまいます

 

「因果」とは、子どもの悪い行動に直接関連している内容で行動制限をします

 

例えば、片付けをしないのなら、使っていたおもちゃはしばらく使用できないようにする。食べ物で遊んでいるのなら、その食べ物をさげる。

 

といった子どもに伝えたいことに直接関わっているもの対して、何かしらの制限をかける関わりを示します

 

そのため、ルールの理解につなげやすく、子どもの、反省と訓練によって成長を促します

 

おもちゃを乱暴に扱った場合

罰の例

おもちゃを投げてはダメ!ちゃんと言うことを聞けないのならおやつは抜きよ!

 

因果の例

おもちゃを投げるとこわれちゃうよ。おもちゃを投げるのなら、もうそのおもちゃで遊ぶことはできないね。貸してちょうだい。

 

「罰」はしつけとしての効果が薄いことが、様々な研究からわかっているそうです

 

その理由としては

  • 恥をかいた人は、個人的な責任を取らない傾向が強まる
  • 恥は怒りを呼びやすいため、感情的な行動が表れやすくなる
  • 悪い行動に直接関連していない罰は、子どもの道徳観の発育にあまり効果がない

 

子どもがすんなりルールに従わないのはなぜ?

 

子どもは、時期が来れば、様々な経験を通して叩いたり押したり人のおもちゃを取ったりしてはいけないことを理解します

 

親がたずねれば「悪いこと」と答えるのに、その場になると衝動的に行動してしまうのは、知識が体に浸透していないから

 

※余談として、年少の3歳くらいまでは、頭では理解していても行動に移すことがまだ難しいといわれています。そのため、それ以下の年齢ではできないこともあります

 

知識が習慣になるためには「くり返す」しかないのです

 

知識として得たものをくり返し行動することで、倫理思考をつかさどる前頭前皮質から

 

反射的な行動をつかさどる皮質下へと伝わるようになります

 

子どもは「行動をくり返す」必要がある

 

だから、お説教をしても効果が薄いのです

 

お説教するよりも、新しいスキルを訓練させましょう

 

望ましい行動の手本を見せるか、ヒントや促しを与えるのが効果的です

 

これが足場がけと呼ばれ、自力で課題を解決するためのサポートとなります

 

「置き換え」をすると理解できる

 

例えば、子どもが叩くといった行動をとったとします。

 

「やめて!」「ダメよ!」と言ってもおもしろがったりふざけたりして言うことをきかないといった経験はありませんか?

 

その時の大人の声のトーンや表情、態度といったことも、もちろん関係しますが

 

子どもは大人の反応をよく見て試しているので、そうなってしまってはなかなか収集がつかなくなります。

 

そうなる前に、有効な手段の一つとしては

 

「望ましい行動への置き換え」をする必要があります。

 

「叩くのではなく、よしよしとして」と言って手のひらでなでなでと優しくさする様子を見せたり子どもの手をとってやらせてみたりします。

 

ポイントとして、「いたい〜!よしよしして〜!」といったオーバーリアクションをしてしまうと

 

子どもは、そういった反応を楽しいと受け取りもう一度叩くといった行動をとるおそれがあるため

 

あまり過度な反応をすることはお勧めできません。

 

オーバーリアクションをするのなら「なでなで〜」「なでなでしてもらえてうれしい〜!」

 

といった望ましい行動の方に注意が向くようにすることがポイントです。

 

年齢が高く、ある程度の会話のやりとりが通じる間であれば

 

そういった関わりに加えて「叩かれて嫌な気持ちなったよ」「叩くかわりにどういった言い方ややり方があるかな?」

 

といった行動の選択肢を一緒に考え導いてあげることも必要です。

 

「悪い行動」を「良い行動」に置き換えて説明してあげる関わりが、良い学びへとつながります。

 

悪い行動をみたとき、よほど危険にすぐつながってしまう行動以外は

 

すぐ感情的に怒るのではなく、少し冷静にこのことを意識して行なってみてください。

 

繰り返すことで、確実に効果がでると思います(^^)